当社では、取締役会決議をしようにも一部の取締役が遠隔地にいて集まれないと考え、その取締役の書面決議により、取締役会での決議を行いたいと考えていますが、このようなことは可能でしょうか。
(回答)
1 みなし取締役会決議
取締役は原則として取締役会に出席して決議を行わなければなりませんが、会社法上、一定の範囲でこの例外が認められています。
すなわち、取締役が決議事項として提案をした事項について、当該提案につき取締役の全員(当該事項について議決に加わることができない取締役は除く。)が書面又は電磁的記録(いわゆるeメール等)により同意の意思表示をした場合で、監査役が異議を述べなかったときは、当該提案事項を可決とみなし(会社法第370条)、取締役会決議を省略することができます。ただし、みなし取締役会決議を行う場合は、定款にその旨の定めが必要です。
2 電話会議・テレビ会議による取締役会への出席は可能
取締役が電話会議・テレビ会議で取締役会に出席したといえるためには、出席取締役全員と通話ができる電話会議・テレビ会議の方法によらなければなりません。取締役が遠隔地にいて一堂に会せない場合は、電話会議・テレビ会議で取締役会を行うという方法も可能です。
3 回答
みなし取締役会決議は、取締役全員が書面決議等をすることにより取締役会を省略できるというもので、一部の取締役だけ書面で決議に参加することはできません。
会社法上、いわゆる持ち回り決議は認められていないことに注意しなくてはいけません。
貴社は、遠隔地にいて多忙な取締役については、電話会議・テレビ会議により取締役会に参加してもらえば良いと考えます。