当社では、いわゆる特殊株主が株主総会に出席するかもしれません。
どのような対応をすれば良いでしょうか。
(回答)
1 特殊株主とは
特殊株主とは、株主としての権利行使に名を借りて、株主総会を平穏に進行させることや会社の不祥事を公表しないことの見返りに、会社に対して利益供与を要求するような株主(総会屋など)のことをいいます。
特殊株主への対応については、警察、各都道府県の暴力追放運動推進センター(暴追センター)などに相談することも可能です。
また、必要であれば、警察や警備会社に対し、総会当日の警備を要請します。
2 想定問題の作成
株主総会当日の進行については、質問の機会を一時に集中させ、対応にメリハリをつけるため、一括上程・審議方式による議事運営を検討することが考えられます。
そして、当該特殊株主の要求内容や自社・他社での過去の活動状況に基づき、想定問題を作成します。
3 リハーサル
株主総会当日は、議事の主導権を特殊株主に渡さないようにして、特殊株主が議事の妨害に及んだときは、退場命令まで想定しておくことが必要となります。
このため、リハーサルでは議事の進行をあえて妨げたり、質疑応答の際にあえて不適切な質問を繰り返したりするなどして、状況によっては議長が退場命令までスムーズに進めるよう、しっかりと練習をして慣れておくことが大事です。
4 株主の質問に対する拒絶
会社法上、質問事項が、①株主総会の目的である事項に関しない場合、②その説明をすることにより株主共同の利益を著しく害する場合、③説明することにより株式会社その他の者の権利を侵害することになる場合、④実質的に反復した質問である場合、⑤その他説明をしないことにつき正当な理由がある場合には、説明を拒絶しうるものとされています(会社法第314条但書、会社法施行規則第71条)。
5 回答
特殊株主対応については、株主総会対応を行っている弁護士に相談し、シナリオや想定問答のチェックはもちろんのこと、リハーサルや株主総会本番への立会いを依頼すると良いでしょう。