自転車事故のリスクとは

(質問)
 自転車に乗っていて,事故を起こすと,どのようなリスクがあるのですか?

(回答)

1 自転車のこんな乗り方はダメ 
 自転車も自動車と同じ車両です。
 自転車では,次の行為が処罰の対象となります。

 (1) 二人以上の並進
    2万円以下の罰金又は科料
 (2) 傘差し運転
    5万円以下の罰金
 (3) 飲酒運転
    5年以下の懲役又は100万円以下の罰金…忘年会,新年会シーズンは特にお気を付け下さい。
 (4) 夜間の無灯火
    5万円以下の罰金…大学生は特に無灯火が多いのが気になります。電気,付けてください!
 (5) 信号無視
    3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金
 (6) 携帯電話の使用
    5万円以下の罰金

2 平成25年1月24日(名古屋地裁判決) 
 これは,自転車側の過失が認められ65%の過失相殺がなされた事例です。
 自転車がふらつきながら進行し自動車と衝突し,自転車側の高校生が後遺障害等級併合6級に該当する傷害を負った事例では,裁判所は以下の趣旨の判断をしています。
 「原告は,手に携帯電話機を持って自転車を運転していた事実は認められないが,自転車がふらついても直ちに停止しなかった事実からは,原告が自転車の運転に対する集中力を欠き,又は,サドルの高さの適正な調整を怠るなど,原告の落ち度が小さいということはできない」
 このような判旨からは,携帯電話をもちながらフラフラと自転車に乗っていたことが認定されれば,65%よりも大きい過失相殺が認められる余地があるとも考えられます。

3 法令を遵守した自転車運転を 
 スマホが普及し,スマホの「ながら運転」をよく見かけるようになりましたが,このような裁判例が存在することを念頭に,法令を遵守した自転車運転を心がけるよう注意してください。