結婚の要件と効果とは?

(質問)
 結婚の要件と効果とは何ですか?

(回答)

1 結婚の要件 
 結婚するときは,婚姻届を出します。これは,形式的な要件ですね。
 民法では,「婚姻は戸籍法の定めるところにより届け出ることによって,その効力を生ずる」とされています(民法第739条1項)。
 婚姻届を出さなければ,法的に結婚したことにはなりません。
 他に実質的な要件として,①婚姻意思の合致と②婚姻障害事由の不存在が必要とされています。
 民法では,婚姻することができない場合を定めています。この婚姻することができない事由つまり,婚姻の有効な成立を障害する事由を「婚姻障害事由」といいます。
 具体的に,まず,婚姻できる年齢に達していなければなりません。男性は18歳,女性は16歳ですね。
 他には,既に結婚している人とは結婚できませんし,近親者との結婚も禁止されています。
 どのような範囲の近親者と結婚が禁止されているかというと,まず,直系の血族,つまり,血のつながりのある親,祖父母,子ども,孫ですね。
 そして,三親等内の傍系血族,兄弟,姉妹,甥,姪,叔母,叔父です。
 他には,配偶者の親や祖父母とも結婚できません。離婚や死別しても結婚できるようにはなりません。
 他には,再婚禁止期間を過ぎていることも結婚の要件になります。女性は前の結婚が解消されてから6か月経過した後でなければ,結婚できません。
 どうして女性にだけ再婚禁止期間があるのかというと,父親が誰であるかをはっきりさせるためと言われています。
 民法には,「婚姻の成立の日から200日後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定」するという規定があります(民法722条2項)。 
 つまり,離婚後300日以内に生まれた子供は,前の夫の子と推定され,再婚後200日経ってから生まれた子は再婚相手の子と推定されます。
 この推定を受ける期間が重ならないように,再婚までの期間を6か月開けておけば十分だろうということで,6か月間は,再婚が禁止されるわけです。
 しかし,最近は,離婚から300日以内に生まれた子を前の夫の子であると推定する規定自体も問題となっています。いわゆる離婚後300日問題ですね。
 法律的に離婚できないまま,新しい生活を始めて,別の男性の子供を産んだ場合に,前の夫の子と推定される問題です。前の夫の子となってしまうために,子どもの出生届が出せないケースが増えているようです。何の責任もない子どもが無戸籍となるのは問題ですね。

2 抜本的な解決が必要 
 子供を法律上,再婚相手の子とするためには,認知調停という手続もありますが,もっと抜本的な解決が必要です。
 まずは弁護士にご相談ください。