空き家のリスクとは?

(質問)
 最近空き家が増えているとよく聞きます。
 空き家のリスクはどのようなものですか?

(回答)

1 空き家対策特別措置法 
 2015年5月から空き家対策特別措置法が施行されました。
 これは市町村の調査で1年以上人が住んでいないということで特定空き家と認定されれば,指導,勧告,撤去命令を出せることになっている法です。
 2013年10月の調査では,全国に820万戸の空き家があって,空き家率は何と13.5%なのです。
 つまり,7軒か8軒に1軒は空き家ということになります。

2 空き家のリスク 
 空き家のリスクは,①防犯上の問題,②衛生面の問題,③景観を損ねる,④家が劣化するなどが挙げられます。
 防犯上の問題もありますが,倒壊等により保安上危険,ゴミが捨てられたり,ネズミとかが入ったりとかして衛生上有害,景観を損ねるといった問題もあります。
 場合によっては,空き家があることによって,近隣の地価が下がることもあり得るのかもしれません。
 それから何よりも家が劣化して価値が下がります。

3 空き家を減らすには 
 空き家を減らすには,①税制面での誘導,②リスクの啓発,③自宅をどうするかについての家族の話し合い,④中古住宅の流通の促進,⑤リフォームや取壊しに対しての補助金などが挙げられます。 
 最終的には,一人一人の意識ですが,例えば,特定空き家に認定されれば土地の固定資産税が上がったり,空き家を売買した場合に3,000万円までの控除が認められるのですが,こういった税務面での誘導のほかに,空き家にはリスクが伴う,特に火事とかになれば近隣から損害賠償が起こされるリスクがあることを啓発することが大切ですね。
 また,自分の家が将来空き家にならないように,家族で将来よく話し合っておくことも必要だと思います。
 それから,我々専門家も空き家の解消に向けて,地方自治体や町内会と協力して空き家を含めた中古住宅の流通を促進していくとか,自治体が空き家リフォームや再築を前提に取壊しに補助金を出すとか,あるいは,将来の取壊の際の積立金制度も必要なのかもしれません。