ソーシャルメディアとはなんですか?
(回答)
1 ソーシャルメディアとは
ソーシャルメディアとは,ブログ・ソーシャルネットワーキングサービス・動画共有サイトなど利用者が情報を発信し,形成していくメディアをいいます。
利用者同士のつながりを促進する様々な仕掛けが用意されており互いの関係を視覚的に把握できるのが特徴であるとされています。
2 ソーシャルメディアの特性
ソーシャルメディアの特性としては,以下の点を挙げることができます。
(1)手軽かつ即時に発信できるという強みがある反面,熟考することなく発信してしまう利用者が多いこと
(2)発言の一部分が切り取られる等により,本人の意図しない形で伝播する可能性があること
(3)氏名・所属組織を明らかにせずに行う発信であっても,過去の発信等から発信者又はその所属組織の特定がなされる可能性があること,特定がなされた場合には組織自体の評判に関わる可能性があること
(4)断片的な情報であったとしても,過去の情報や他の情報から内容の特定がなされる可能性があること
3 ソーシャルメディアの私的利用にあたっての留意点
ソーシャルメディアの私的利用にあたっての留意点として,総務省は,国家公務員に対して,
(1)国家公務員法に規定する守秘義務に違反する発信を行わないこと
(2)職務専念義務が課せられていることに鑑み勤務時間中の発信は行わないこと
(3)所属組織の見解ではなく,個人の見解によるものであることを明確に記述すること
(4)業務上支給されている端末を用いて発信を行わないこと
等を通知しました。
これは,復興庁職員がツイッターで不適切発言を行った事案を踏まえて平成25年6月28日に総務省が「国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に当たっての留意点」として取りまとめたものです。
ソーシャルメディアの不適切な利用により損害賠償義務まで認められた裁判例は未だ存在しないようですが,ソーシャルメディアは思想信条や宗教などの衝突の可能性があることや他人の個人情報・肖像・プライバシーが明らかになる可能性があることから,損害賠償の対象となる危険性を有するものです。
したがって,ソーシャルメディアの私的利用に関してルールを制定するとともに責任の所在を明らかにするルールを作成しておくことが必要であると考えます。
4 ソーシャルメディアの私的利用に関するルール
上述したように総務省は国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に当たっての留意点については周知徹底を行い,内規制定,研修の実施等を行うことを求めています。
また,総務省の上記周知に伴い,岡山県でも地方公務員に対して上記同様の周知徹底を行い注意を喚起しています。さらに,民間企業でもソーシャルメディアの私的利用についての研修を行う動きがみられています。
5 社内ルールとしてのソーシャルメディアの利用方法
ソーシャルメディアは,今後の発展が大きく予想されますので,それに伴い損害賠償の問題にもなる可能性があります。
法人の職員として守秘義務を遵守することや勤務時間中(出張移動中も含む)に発信しないことは最低限守るべきルールであると考えられます。
企業においてもソーシャルメディアの私的利用についてルール作りをすることは組織のマネジメントとして必要不可欠なものです。
早急にルール作りをすることを強くお勧めします。